第5回 お酒を楽しむために いびきと無呼吸から解放されよう (2013/12/12)

忘年会シーズンでお酒を飲む機会が増えるこの頃です。今回はいびきと飲酒についてお話しします。

お酒を飲んだ後にいびきをかいてしまうのはなぜ?

お酒を飲むと、いびきをかきやすくなることは経験されている方が多いと思います。なぜでしょうか。

それは、アルコールを飲んで睡眠をとると上気道を広げる筋肉が緩んだり,鼻が詰まりやすくなるため口をあけ呼吸すると、口蓋垂(のどちんこ)などの振動しやすい部位が振動を起こすためです。

お酒を飲んで翌朝に疲労感が残るのは、いびきをかくことによる体力の消費が関係するといわれています。

アルコールによる無呼吸の死亡リスク

また、アルコールを飲むと鼻や上気道が狭くなるために、呼吸がさえぎられ、無呼吸が起こりやすくなります。この上、アルコールの影響で脳の呼吸中枢も活動が抑えられ、呼吸の指令が出にくくなるために、無呼吸がさらに悪化します。

アルコールを摂取する睡眠時無呼吸症候群患者においては、心臓発作、脳卒中、突然死のリスクが高くなることも報告されています。

ですから、お酒は気分転換になり楽しいものですが、普段からいびきや無呼吸のある場合は、お酒を飲む事によるリスクが大いにあります。
リフレッシュして次の日も気持ちよく過ごすには、いびきや無呼吸を治療したうえでお酒を飲むほうが健康によいのです。

【著者紹介】

都筑 俊寛(ツヅク トシヒロ)
・日本耳鼻咽喉科認定専門医
・NPO法人 日本臨床レーザー協会 会員
いびきや鼻炎の外科的治療を行ないいびきレーザー治療では年間3,000件以上の実積を持つ。
『 新「名医」の最新治療 2013』(週刊朝日増刊号)で全国160人の医師として掲載された。
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