子どものいびき・睡眠時無呼吸症候群には要注意
※18歳未満の方のレーザー治療は行っておりません。
成長に影響を与える子どものいびき
子どもの約10%はいびきをかくと言われています。
外で一日中遊び回った日にいびきをかいていた場合は、疲労が原因だと考えられるので、あまり気にする必要はありませんが、下記のような症状が出ている場合は、注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群が疑われる可能性もあります。また、子どものいびきは大人と原因が異なる場合が多く、身体の成長にも関わるため、保護者の方がいち早く気付いてあげることが大切です。
注意するべき症状
子どものいびきに注意すべき症状は、いくつかあります。まず、いびきがひどくなり無呼吸が起こると、十分な睡眠が取れず、起床時に不機嫌やおねしょが見られることがあります。昼間の活動が低下し、成長や学習に影響を及ぼすこともあります。特に、いびきとともに胸がへこんでいる状態は、肺への空気の流入が不十分であることを示し、深刻な問題の兆候です。
日中に過度の眠気や注意力の低下、呼吸が荒く口呼吸が常態化していることも重要なサインです。夜間に激しいいびきがあり、寝相が悪いことも、息苦しさを感じている兆候です。重症の場合、陥没呼吸が起こることもあります。これらの症状が見られる場合は、早期の診断と適切な治療が重要です。専門医に相談し、必要に応じて睡眠検査を行うことが推奨されます。
子どもの睡眠時無呼吸症候群とは?
小児の睡眠時無呼吸症候群は、成人とは診断基準や重症度分類が異なります。
成人の場合は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が1晩に30回以上または1時間に5回以上あると診断されますが、小児では10秒の無呼吸時間が必ずしも要件ではなく、2回の呼吸停止があれば無呼吸と見なされることがあります。また、小児の場合はAHI(睡眠時無呼吸指数)の重症度分類も異なり、1<AHI<5/hが軽症、5<AHI<10が中等症、10<AHIが重症とされます。小児の睡眠時無呼吸症候群の診断には、成長過程や解剖学的特性を考慮し、診断基準の適切な適用が重要です。
子どものいびきの原因?
子どもの場合は、大人の一般的ないびきの原因となる肥満による気道の圧迫はほとんどありません。
また、飲酒による筋肉の弛緩も考えられません。子どものいびきの原因は、扁桃腺・アデノイドの肥大やアレルギー性鼻炎がほとんどです。
扁桃腺・アデノイドの肥大によって気道が圧迫されることでいびきをかくのです。また、アデノイドの肥大によって鼻づまりを起こし、大人と同じように口呼吸になることでいびきをかく場合もあります。
扁桃腺は子供であれば大きいことは自然ですが、いびき・無呼吸など支障が出てくる状態であれば問題になります。他の原因では、アレルギー性鼻炎によって鼻づまりを起こし、口呼吸をしているためにいびきをかくというケースもあります。
子どものいびきの影響
子どものいびきは、心身の成長に大きな影響があり、成長途中の子どもにとって重大な問題となります。
集中力の低下
いびきや苦しい呼吸によって夜間の睡眠が阻害され、十分な睡眠が取れていない場合、日中の過度の眠気や集中力の低下が考えられます。重症になると、学校生活に適応不能となることもあります。
胸郭変形(きょうかくへんけい)
子供のころに、扁桃腺肥大などが原因で、狭い気道で呼吸をしていると、子供のころの胸郭は骨が柔らかい為に変形をきたします。おとなになるにつれて、骨が固くなり、漏斗胸(ろうときょう)という胸の中央部分がへこんだ胸になってしまいます。
影響として、コンプレックス等悩みの原因になるほか、姿勢の悪化や胸の痛みなどがあります。また、逆に鳩胸になる場合もあります。
成長障害
身体の成長に必要となる成長ホルモンは睡眠が始まった直後に多く分泌されます。そのため、いびき・無呼吸によって睡眠不足の状態が続くと、成長ホルモンの分泌が阻害され、成長障害に陥る可能性があります。
子どものいびき治療について当院の考え方
子どものいびき治療において、鼻や扁桃腺、アデノイドなどが原因となる場合、治療法にはいくつかの選択肢があります。まず、鼻の問題が原因の場合は、それぞれの鼻の病気に対する適切な治療を行うことが推奨されます。例えば、鼻腔内の異物や障害を除去する手術があります。また、扁桃腺やアデノイドが原因である場合、扁桃腺摘出術やアデノイド切除術が効果的ですが、手術の適応には慎重な判断が必要です。
いびきが大きいだけでなく、睡眠時無呼吸が合併する場合に手術適応とされることが多いです。専門的な医師の診断とアドバイスを受けることが重要であり、手術を検討する際には専門医の意見を聞くことが重要です。当院では18歳以下の方への治療は行っていないため、手術が可能なクリニックへ相談しましょう。
監修者情報
院 長 | 都筑 俊寛(つづく としひろ) |
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認定医等の資格 | 日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医 日本めまい平衡医学会認定めまい相談医 |
勤務歴 | 1984年6月 帝京大学医学部耳鼻咽喉科入局 1988年4月 埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科 医長 2007年4月 帝京大学医学部耳鼻咽喉科 准教授 2008年9月 医療社団法人 三幸会 渋谷フェミー耳鼻咽喉科 院長 2009年9月 銀座コレージュ耳鼻咽喉科 院長 2023年1月 銀座コレージュクリニック ザ・ペニンシュラ東京 院長 |
所属学会等 | 日本めまい平衡医学会 参与 日本聴覚医学会保険医療委員会 委員 NPO法人日本臨床レーザー協会 会員 Barany Society(国際めまい学会) 会員 |
電話からのご予約:TEL:03-3546-8733