鼻のレーザーのみ 鼻と喉のレーザー(咽頭形成術)両方
音が震動する部分の切除 ×
鼻呼吸 咽頭が気道を狭めていない場合改善
いびき 咽頭が気道を狭めておらず、鼻呼吸が実現すれば改善可能
痛み 15秒~5分無痛 術後2週痛みあり
機械装着:CPAP、マウスピース等 毎晩(いびき、鼻呼吸改善しない場合) なし
患者さん負担 月約数百円~5000円(継続出費) 手術費用約4万円(ノドの手術3万円、ハナの手術1万円)初診料および再診料、別途院外処方代
医療費抑制効果※1 なし あり

※1:医療費抑制効果 受診に際して本人負担分は表の中の金額ですが、3割負担ですので残りの7割は国民健康保険や各社会保険の負担になります。

鼻のレーザー治療だけで「いびき」が治るか?

鼻のレーザー治療は鼻づまりを改善する為に行なうものですが、

鼻のレーザー治療だけで「いびき」がなおるのでしょうか?

この質問に対する答えは?

「改善する場合もなおらない場合もあります。」

しかし、鼻づまりがいびきの原因と考える耳鼻咽喉科の医師もいます。

私は、「鼻づまりだけがいびきの原因」と考える根拠が理解できません。

医学は科学なのですから曖昧さはゆるされません。

やはり、

いびきが何故起きるのか?

その原因を明らかにしなくてはいけません。

いびきの原因については、エビデンス(証拠)にもとづく医療の先進国であるアメリカ耳鼻咽喉科学会のホームページに以下のように書かれています。

What causes snoring?
The noisy sounds of snoring occur when there is an obstruction to the free flow of air through the passages at the back of the mouth and nose. This area is the collapsible part of the airway where the tongue and upper throat meet the soft palate and uvula. Snoring occurs when these structures strike each other and vibrate during breathing.

【翻訳】 何がいびきをひきおこすのか?
口腔や鼻の後方部位を通過する空気が閉塞されたときにうるさいいびきが発生する。
この部位は舌や上咽頭が軟口蓋と口蓋垂に接し閉塞しやすい場所である。
いびきはこの部位の構造が呼吸に伴いお互いにぶつかりあい振動することでおこる。

http://www.entnet.org/content/snoring-and-sleep-apnea

と記載されています。

アメリカ耳鼻咽喉科学会のホームページを見る限り、いびきが起こる原因について「鼻づまり」のことは書かれていません。

何故なら、「いびき」は振動する部位である軟口蓋や口蓋垂が振動する起こる現象だからです。いびきは音です。音は振動が引き起こすものなのです。

但し、鼻がつまり口を開けて寝ているといびきをかきやすくなるのは事実です。鼻づまりを治療し、口を閉じて寝ることが可能になれば、軟口蓋や口蓋垂が振動しづらくなり、いびきが改善することはあります。

しかし、咽頭部分(軟口蓋や口蓋垂)が気道を狭めている場合、鼻の通りだけよくしても鼻呼吸は本当に改善しない為、結局、咽頭部分の振動を回避することはできないのです。

また、鼻つまりがない場合や鼻の治療をしてもいびきのある場合はどうすればいいのでしょうか。

ここで、睡眠時無呼吸のないいびきだけの場合、持続的陽圧呼吸治療C-PAPやマウスピースを用いるが正しい医療か、検討する必要があります。

それらの機器の本来の目的は睡眠時無呼吸症候群の治療用なのです。

誤解を防ぐために明記しておきますが、いびきの患者さんが、全員、睡眠時無呼吸症候群ではないのです。いびきの患者さんの集合の中に、睡眠時無呼吸症候群患者さんの集合が含まれるのです。
確かに、C-PAPを使用すると、空気が一定の速さで送り込まれるので、軟口蓋が振動しづらくなりいびきが軽減します。
また、マウスピースを装着すると、軟口蓋がささえられますので、振動しづらくなり、いびきが改善します。

しかしC-PAPの使用率の悪さや、マウスピースによる顎関節の痛みの問題が常におこります。

この振動しやすい口蓋垂とその周囲を切除し、いびきそのものの原因を取り除く「いびきの手術」は、日本人である池松先生が世界に先駆けて編み出し、世界耳鼻咽喉科学会総会で表彰された優れた術式なのです。
現在のところこれに勝る術式はあみだされていませんし、

またこの術式を改良し睡眠時無呼吸症候群の手術として用いた、同じく日本人である藤田先生の功績は大きく、現在でも、アメリカ耳鼻咽喉科学会で睡眠時無呼吸症候群の効果ある治療法として推奨されています
また、アメリカ耳鼻咽喉科学会のホームページでは、いわゆる「いびきグッズ」は効果に疑問があると明記されています。