毎年、この時期になると話題になるのが「花粉症」です。花粉症は、日本では杉が多いのですが、杉の他にカモガヤやセイタカアワダチソウなどの花粉も原因となり発症することがあります。

花粉が原因で体が反応し、鼻閉・鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどがおこります。
鼻が詰まると、苦しくてよく眠ることができなくなります。また、睡眠時に口呼吸になるので、朝起きると口が渇き、のどが痛かったりします。

口呼吸で寝ていると、口蓋垂(のどちんこ)やその周囲が振動しやすくなり、普段いびきのある人はいびきが大きくなり、普段いびきをかかない人でもいびきをかいたりと、睡眠が妨げられ、よく寝た感じがしないといった症状がおこりやすくなります。

快適な睡眠のためにも、花粉症の治療は大切な事なのです。

花粉症の治療方法

現在日本でおこなわれている、花粉症の治療は大きくわけて3つあります。
1.減感作療法
2.抗アレルギー剤治療
3.レーザー治療
です。

1つ目の減感作療法は、杉の花粉を薄めたものを体に注射するなどして、杉に体をならす(免疫をつける)ことを目的としています。ある意味で根本治療法ともいえます。人によっては良く効くのですが、週に1回程度病院に通院し半年近く注射を受けなくてはいけません。根治または薬が必要ないレベルにまで改善する人は2割から3割といわれています。

2つ目の抗アレルギー剤治療は、鼻水やくしゃみを抑えるのには有効です。しかし鼻閉に対する効果が今一つです。また、杉のシーズンは継続して薬を内服する必要があります。
花粉の時期にもいびきのない良い睡眠をとるためには、鼻閉の治療が必要となります。
そこで、3つ目のレーザー治療は、鼻水・くしゃみだけでなく、鼻閉にも効きます。しかし、花粉症の根本治療ではありませんので、効果の持続が1年から3年です。

治療法によりメリット、デメリットはそれぞれありますので、通院スケジュールや、花粉症の度合いなどによってどの方法が有効か判断が別れます。ご自分で悩むより、医師に相談してみましょう。

【著者紹介】

都筑 俊寛(ツヅク トシヒロ)
・日本耳鼻咽喉科認定専門医
・NPO法人 日本臨床レーザー協会 会員
いびきや鼻炎の外科的治療を行ないいびきレーザー治療では年間3,000件以上の実積を持つ。
『 新「名医」の最新治療 2013』(週刊朝日増刊号)で全国160人の名医として掲載された。
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